一般的に還暦とは、60歳を迎えた方を指しますが、これは数え年で61歳を迎えた時を指します。なぜ60歳で祝うのかといいますと、戦前以前は平均寿命が50歳代であり、60歳を迎えるのは非常におめでたいことでした。そういった長生きした人を祝う為に還暦祝いがあるのです。それに、長生きした人の言葉やふるまいは長年経験を積んできたのだからありがたいものとして、重宝されています。
また、別の意味でも還暦というのは、干支は本来であれば60種類あります。この干支が1周することで、元の干支に戻るということを還暦と言います。一周したのだから生まれ変わったと考える人も多いようです。このように干支を一周して生まれ変わるという意味で、生まれた時に魔が付かないように、還暦祝いには魔よけの作用がある、赤いちゃんちゃんこや、赤いものを中心に飾り付ける風習があります。
昔は還暦を迎える人はほとんどいませんでした、それこそ江戸時代や昭和初期に還暦を迎える方は非常に少数でしたので、今の還暦とは全然違う印象を持たれることが多いようです。その為、現在はほとんどの方が還暦を迎えるほどにまで寿命が延びてきていますので、そういった点からしても昔の還暦と比べても還暦のありがたさが全然違います。還暦の先にある米寿などの方がどちらかというと祝い方が盛大になってきていることが多いようです。そういった時代の移り変わりもありますので、還暦祝いと言ってもその受け取り方は昔と今では全然違うようですね。